ゾーン 相場心理学入門の再レビュー

あまり良い本だとは思わなかったので、すぐに捨てたと思っていた「ゾーン 相場心理学入門」ですが、つい先日書籍の整理をしていたところポロリと出てきました(笑)

初めて読んだ際のレビューがこちら(ゾーン 相場心理学入門のレビュー)になります。

このとき(2012年の12月)に私が書いたレビューを読むと「名著では絶対にない」「負けているときの言い訳に出来るから」などと評価しています。


実はこの「ゾーン」についてはコメントを何度かもらったこともあり、また他ブログでも相変わらず投資の名著として紹介されていて、自分的にはかなりモヤモヤとした気持ちでした。もしかしたら本当は良い書籍だったのにあまりよく読めなかったのではないか、という後悔。

そして今回またもや手元に戻ってきたことで、これは再レビューしなければいけないと思ったわけです。ということで今回は「ゾーン 相場心理学入門」の再レビュー記事となります。


<短い結論 長い文章>

早速結論から書きますと、以前のレビューと同じ、つまり「ゾーン」は名著ではないというものになります。

書籍内でも書かれているように、「期待値を持ったトレードを機械的に行う」以上のことは何もなく、機械的に行うことでメンタルへの負担を減らすというのが最終目標、そしてこの書籍はその最終目標への考え方を書いているに過ぎません。

例えばコイン投げで表が出たときに次に表が出る確率は変わらない、つまり確率の独自性について述べていたり、「確率的思考」であるトレードの有効性・優位性の基本的な考え方について書かれています。

損切りについても書かれてはいるのですが、これはそもそも番外編というか「機械的にトレードを行わない場合の弊害」として扱われているため、自分のメンタルが影響することで損切りが伸びてしまうとか、利食いを早くしてしまうとかいうマイナス面の紹介となっています。


また、もう一度読んでみて強く感じたのが水増し文章の多さでした。

この書籍のポイントは「期待値」と「機械的トレード」に終始しています。しかしそれ以外の雑多な内容が多く、以前のレビューにも書いたようにまるで心理学の書籍であるようでした。

雑多な部分をカットし、必要なエッセンスだけに絞れば書籍の内容は半分もなくなるでしょう。というか自動車と同じで「アクセルを踏めばスピードが出る」というのを、「アクセルを踏むとこの部品が作用し、このパーツは○○という理論により・・・」という構造を知らなくても実行できる部分をそのまま解説してしまった感じです。

「優位性に頼って機械的にトレードを行う」という解説で分からないのであれば、この書籍を読んでも仕方ないですし、分かるのなら読む必要がない気がします。


<人気の理由を考える>

たいした書籍ではないのに人気がある理由は2つ考えられます。


まず一つが曖昧で難しい表現を使っていること。先ほども書いたように心理学方面への話にページが割かれていて、しかもその部分は専門用語が使われていたりと難解な内容になっています。

「ゾーン」を読んだ人の評価で多いのが、「今の自分にはよく分からないけれどもいつか分かるようになるはず」とか「読むたびに発見がある」とかそういったものが多いです。これは一度読んだだけでは理解度が低いことを思わせるものですが、つまりは「もっと何かあるのではないか」と思わせてくれる書籍なのかなと。

実際私も3回読んでますがまだ何かあるような気がしてしまいます。ですがそれは曖昧で難解な表現のせいであり、実際にはたいした中身があるわけではないと。


もう一つの理由は「有効性・優位性」についての理解の低さからかなと思います。

コイン投げを例にとった場合、55%の確率で表が出るコインがあったとすると、これに対する戦略は「表に賭け続ける」しかありません。ここで「裏が3回続いたか次も裏かもしれない」などと考える人はいないはずなのですが、FXにおいてこういった考えは少なくありません。

FXトレードにおいても優位性があればそれに賭け続ける「しか」ありません。ですが、そもそも優位性があるかどうかが分かっていない方は非常に多いです。よく目にする「絶対の方法はない」とかいうのが正にそれです。優位性のあるトレードがもしも存在するのであればそれが絶対の方法でなければいったい何なのか分かりません。まぁそれ以前に優位性のあるトレード自体が皆無なのですが・・・

と、話がずれましたが、この書籍は優位性のあるトレードを持っていることが前提です。ですから優位性のあるトレード持っていないのであればメンタルうんぬんは何の関係もありません。そして優位性のあるトレードを持っているのであれば、メンタルよりもポジションサイジングのほうが重要ということは分かっているはずです。このあたりは前回のレビューとほぼ同じことを書いてます。


まぁとにかく「ゾーン 相場心理学入門」は名著でもなければ良書でもありません。他の投資書籍のおまけとして書かれているメンタル部分にスポットを当てたものの、実質は心理学の解説となってしまっていて、内容は投資書籍のおまけ部分と同じ程度、というのが印象。

再レビューもしましたし、得るところもないことは分かったので、これで心置きなく「ゾーン」をゴミ箱に捨てられます。


関連記事
資金管理2%ルールの解説
「金額の壁」でトレードが鈍る理由
さよなら ボラティリティブレイクアウト戦術
posted by ゼロハジ at 2014年07月25日 19:08 | Comment(4) | 投資書籍レビュー

読んでガッカリな投資書籍

もはやいつものことなのですが、ブロガーさんって本当に投資書籍読まないでレビューしますよね。

私がすでに名高い投資書籍をいろいろと読んで知っているからというのもありますが、あのレビューの適当さには嫌気がさします。ということで今回はコレまでに読んだ投資書籍から、知名度は高いもののガッカリ度の高い3作を紹介したいと思います。


<ラリー・ウィリアムズの短期売買法>

その価格、実に9800円。さらに書籍自体もビッグサイズという規格外な「ラリー・ウィリアムズの短期売買法」は相当なガッカリ投資書籍です。(参考:ラリー・ウィリアムズの短期売買法のレビュー

価格が高いという点でも厳しいですが、その中身は「バックテストにより検証されたテクニカルの紹介」となっていて、つまりは実践したわけでもないテクニカルを多数載せている書籍ということです。

確かに紹介されているテクニカルの数は多いですし、使えそうに感じるものもないわけではないですが、バックテストによる結果ということは「カーブフィッティング」してしまっているのは目に見えています。

紹介されたものに「曜日による有効性の変化」がありましたが、これはそのデータ期間でその曜日が良かったという以上のものではなく、別の期間を使えば全く機能しないことはすぐに分かることでしょう。


最近は第2版が発売されたとのことで取り上げられることも少なくないですが、「書籍価格が高いために販売したときの広告収入が高い」という背景があることは覚えておいたほうがいいと思います。


<マーケットの魔術師>

これまた名著として紹介されることの多い「マーケットの魔術師(マーケットの魔術師のレビュー)」「新マーケットの魔術師(新マーケットの魔術師のレビュー)」。私もかなりの高評価をつけているサイトを見たために両作を購入するほど、世間一般的には「投資の名著」という認識が染み付いているようですが・・・

読む前から分かっていたことですが、これはインタビュー集であってトレードテクニックの紹介などはしていません。ですからトレードのテクニックの上昇にはほぼ全く寄与しません。

さらにいえばインタビューの内容がかなり古く、現在のトレード環境とかけ離れている感じがあります。現代のトレーダーと違って「本当に勝っているんだろうか?」という疑問はないですが、「勝っているんだろうが、今は実現不可能だろうな」という印象。この書籍のトレーダーたちはコンピューターが進化した現在では全く存在しない有効性に頼っていた面が少なくないように見えます。


読み物としては確かに面白いです。投資に関わっているのであれば面白さも増加することでしょう。ただ人に勧めるほどではないのでは?読み物としてなら勧められますが、トレーダーがトレーダーに紹介する書籍としてはどうなのかなと感じてしまう一冊。


<ゾーン 相場心理学入門>

一番のガッカリは「ゾーン 相場心理学入門(ゾーン 相場心理学入門のレビュー)」です。

これはFXブロガーが紹介している率No.1ぐらい有名な一冊です。FX書籍を紹介しているFXブログならだいたい紹介されていますが、本当に読まれているのかは疑問。

というのもこの書籍が書きたい事というのは「優位性があるトレードを何が起こってもやり続けるメンタルを持て」というだけのことで、それを丸一冊かかって心理学的な面から解説しているという内容なのです。ですから、優位性のあるトレードを持っていない大多数のトレーダーには全くの無縁の話であり、本当にこれを読んでいれば「メンタルより先に手法が必要」という重大なことに気付いているはずです。

メンタルの負担を軽くする書籍として機能しなくはないですが、メンタル系の書籍として何か勘違いされている感じはあるなぁと。メンタル面の解説は投資書籍で一番というわけでもないですし、「メンタル系書籍
」というイメージだけが先行してしている感じはします。

これは本当にガッカリ度が高いですね。私も買う前はずいぶんと期待して買ったのですが、読んでみると本当に期待はずれ。決して悪い内容ではないのですが、人気に見合うほど中身はありません。おそらく「人気だからブログで紹介する」という流れで読んでいない人がそのまま勧めているのだと思います。読んだら勧められるレベルにないことはすぐに分かるはず。


と3冊のガッカリ投資書籍を紹介してみました。特に「ゾーン」に関しては、これを紹介している人の「実は読んでない度」が高く感じます(笑)


関連記事
オススメの投資書籍まとめ(FX)
雑談 新無線LANルータとブログアクセス数
FXトレーダーの寿命は長くて2〜3年
posted by ゼロハジ at 2013年10月29日 21:13 | Comment(4) | 投資書籍レビュー

オススメの投資書籍まとめ(FX)

今回は去年の終盤に読んだ13冊の投資書籍のレビューまとめと、これまで読んだ投資書籍のオススメを分類分けで紹介したいと思います。

まず去年読んだ書籍13冊の短評とこのブログでのレビュー記事へのリンクです。


「ラリー・ウィリアムズの短期売買法」
ラリー・ウィリアムズの短期売買法のレビュー

カーブフィッティングの極致?


「マーケットの魔術師」
マーケットの魔術師のレビュー

世代違いの投資読み物


「新マーケットの魔術師」
新マーケットの魔術師のレビュー

前作より良くなった世代違いの投資読み物


「コナーズの短期売買入門」
コナーズの短期売買入門のレビュー

実用性がないので迷わず買ってはいけない投資書籍


「投資の王道 実践編 通貨証拠金取引」
投資の王道 実践編 通貨証拠金取引のレビュー

誤って購入したFX暗黒時代の解説書籍


「投資苑」
投資苑のレビュー

テクニカルの解説書として評価できる


「田平雅哉のFXスイングトレードテクニック」
田平雅哉のFXスイングトレードテクニックのレビュー

内容は悪くないが全体的に説明不足


「アメリカ最強のFX理論」
アメリカ最強のFX理論のレビュー

安価で陳腐な割りに内容はいい


「システムトレード 基本と原則」
システムトレード 基本と原則のレビュー

自分の足りないものを示してくれる良書


「投資苑2」
投資苑2のレビュー

前作を読んでないと分かりにくい


「敗者のゲーム」
敗者のゲームのレビュー

トレードではなく資産運用の書籍


「ゾーン 相場心理学入門」
ゾーン 相場心理学入門のレビュー

言われているほどの名著ではない


「シュワッガーのテクニカル分析」
シュワッガーのテクニカル分析のレビュー

トレードの書籍としてAからZまで


はい、こんな感じだと思います。ちょっと短すぎる短評ですが、レビューのリンクのほうを見てもらえればしっかりレビューしていますので興味のある方はそちらをご覧ください。


<投資書籍分類分けオススメ>

さて、今まで読んだ投資書籍はレビューしたものしなかったものあわせて40〜50冊ぐらいにはなるでしょうか。そんな中で私がオススメできると思った投資書籍を紹介したいと思います。


資金管理編:「新版 魔術師たちの心理学」「システムトレード 基本と原則」

この2つを押さえておけば資金管理は十分なレベルに達することでしょう。「新版 魔術師たちの心理学」では期待値についてやボラティリティの子鬼(4%勝った後に4%負けると・・・)など、「システムトレード 基本と原則」ではいくつかの資金管理の方法を紹介し、それが実際の運用ではどのようなパフォーマンスの変化を起こすか突発的リスクに対応するかが分かるので、資金管理の具体的な方法が見えると思います。

そもそも資金管理という内容は、多くの書籍では参考程度しか語られないため、この2冊のようにかなりのページ数を割いて解説しているというものをきちんと読んでおくのもいいと思います。


テクニカル編:「先物市場のテクニカル分析」「投資苑」

まず「先物市場のテクニカル分析」については読んでおかないと話にならないと思います。13冊のレビューの際も、この書籍によって得られた知識があったからであって、にわか知識の入ったテクニカルばかりに触れていると間違ったテクニカル知識が身についてしまうことになりますから、一次情報としてこの書籍を読んでおかなければいけないでしょう。

「投資苑」はおまけと言ってはアレでですがあくまでも補助的な意味での勧めですね。なにも「先物市場のテクニカル分析」で解説されているような単純なテクニカルだけが有効というわけでもないと思うので、「投資苑」で紹介されているようなテクニカルは、ブログやその他の書籍のテクニカルを読み解く上でも役に立つ情報になることでしょう。

どちらにも言えることですが、知れば勝てるようになるテクニカルが載っている訳ではないです。あくまでもスタートラインに立つための知識という感じでしょうか。


メンタル編:該当なし

トレードにメンタルが重要なのは間違いないでしょうが、メンタルに対する理解を深めてくれるような投資書籍はありませんでした。メンタル系で名高い「ゾーン」でもあの程度なので、メンタルに関しては文章にするのが難しいとか人によって違うとかそういったことが壁になって書籍による解説が難しくなっているのかもしれません。


読み物編:「マーケットの魔術師」「新マーケットの魔術師」

読んで役に立つような書籍ではないですが、相場読み物としては面白いですし、相場というものの移り変わりやトレーダーの成功までの苦節、成功してからの人生など相場で本気で戦っていく人にとっては自分の人生をイメージしやすくなるかもしれません。内容の充実の割りに価格は結構安いので、そういった意味からもオススメできます。


関連記事
ゾーン 相場心理学入門のレビュー
投資苑2のレビュー
アメリカ最強のFX理論のレビュー
posted by ゼロハジ at 2013年01月09日 16:28 | Comment(2) | 投資書籍レビュー

シュワッガーのテクニカル分析のレビュー

はい、今まで読んできた投資書籍13冊のラストを読み終わったのレビューしたいと思います。読み終わったのは「シュワッガーのテクニカル分析 初心者にも分かる実践チャート入門(ジャック・D・シュワッガー:著 森谷博之:訳 パンローリング:出版)」です。

シュワッガーさんといえば「マーケットの魔術師」の著者で有名です。しかしこの書籍はそれほど有名ではなく、知らない人も多い気はします。


<内容>

ページ数376、定価2900円、書かれたのは1999年のようです。

内容としてはタイトルにもあるように「初心者にも分かるような基礎テクニカルの紹介」書籍です。「解説」ではなく「紹介」が正しいと思います。投資を始めて1年ぐらいの初心者ならギリギリ読めるレベルでしょうか、理解まではできないと思いますが、そのぐらいのレベルに合わせた内容です。


<ごく基礎的なテクニカルの紹介>

書籍のほとんどはテクニカル(チャートパターンが多い)の紹介であり、その他の内容として損切りや利食いのタイミング、トレードの最適化の方法の紹介、さらにおまけ的に82項目の教訓と「マーケットの魔術師」から抜き出した金言集があります。

テクニカルに関してはあくまでも「紹介」程度のものがほとんどで、これを読んで実践に使えるほどしっかりとした内容説明はないです。実践で使えるほどの解説もあるにはあります。支持線とか抵抗線という横ラインを使ったトレードや見方の解説はまるまる1章使って解説されているので理解も進むでしょう。

多くのチャートパターンにおいては見たことも聞いたこともないものであり、とてもじゃないですが有効性は感じません。そういったパターンの紹介も多いので(深くはない)、全体的に見ると内容の薄さは感じると思います。特に前半部分はページ数の割に内容の薄さは感じました。40ページもやっている実践チャート分析からも得るところは少ないような・・・


<広く浅い>

テクニカルの書籍としてではなく、トレードの書籍としてみるとかなり広い内容が紹介されているのは間違いないです。テクニカルの紹介量は多いですし、トレンドフォロー型の弱点、カーブフィッティング、増し玉(途中でポジションを増やす)の仕方、トレード記録の付け方などと広範囲な内容になっています。

ただ内容は浅いです。いわゆる「広く浅い書籍」となっていて、初心者からすれば役に立つこともあるでしょうが、ある程度育ったとレーダーには知っていて当然のことしかかれていません。深さや目新しさがない。


<評価>

評価は75点です。

手元においておきたい1冊。投資熟練者(負けていても)になれば参考になる部分を持たない浅い書籍ではありますが、もしも投資を始めたころに持っていればそれなりの成長があったのは間違いなし。チャートパターンの見方を確認するためにも役に立つと思います。

聞いたこともないチャートパターンの紹介は全くいらないですし、また終盤の「82の教訓」「42の金言」「付録 追加の概念と数式」も要らなかったですね。「追加の概念と数式」というのは、テクニカルの項で紹介しきれなかったテクニカルの紹介と数式の掲載になりますが、本当に簡易的な説明と数式が載っているだけなのでなくても別に問題はなかった気がします。

すでに多くの投資書籍を読んでいるのであれば買わなくてもいいでしょう。逆にまだ投資書籍(日本の簡単なものは除外)というものをあまり読んでいないのであれば役に立つ部分は確実にあります。


これで投資書籍13冊は読み終わったわけですが、来年の始めあたりにこの13冊のまとめを書きたいと思います。


関連記事
敗者のゲームのレビュー
投資苑2のレビュー
投資苑のレビュー
posted by ゼロハジ at 2012年12月26日 16:28 | Comment(0) | 投資書籍レビュー

ゾーン 相場心理学入門のレビュー

毎年年末になると「年末は相場が荒れるので気をつけて」的な記事を書いてましたが、去年あたりから気づいてきましたが年末といってもクリスマス前後くらいまでは問題ないみたいですね。ですから今年のトレードは今週でやめておいて、来週と再来週はトレード休止期間にしたほうがいいかもしれません。


さて、今回読み終わったのはトレードのメンタル系著書として名高い「ゾーン 相場心理学入門(マークダグラス:著 世良敬明:訳 パンローリング:出版)」です。


<内容>

ページ数334、定価2800円、書かれたのは2000年のようです。日本発売は2002年。

トレーダーなら知っている人も多い書籍で、多くのFXブログなどで紹介されています。知名度としてはかなり高いでしょう。

内容としてはテクニカル系ではなく、「トレードのメンタル」について書かれた書籍で、その他の書籍では参考程度に書かれるトレードのメンタル面を深く掘り下げた書籍・・・と紹介されることが多かった気がしましたが・・・


<心理学の書籍>

トレードのメンタルの書籍なはずですが、実際の内容の大部分は「心理学の話」になっています。もちろん「時々」入るトレードの解説のための解説なのでしょうが、本当に心理学の書籍を読んでいるような感覚であり、役に立つ役に立たない以前に読んでいるのがトレードの書籍ということを忘れてしまいます。

私は心理学の書籍も読んだことがありましたが、「ゾーン」の内容と比較すると「ゾーン」のほうがはるかに難しい内容です。書いていることに違いはないと思いますが、「ゾーン」の方がより深く専門的な話になっています。


たとえば犬と子供の話では

一般的な心理学の書籍では「子供は過去に犬に噛まれた経験があるため犬を見るたびに恐怖を感じてしまう」ぐらいなものです。

ゾーンでは「子供は過去に犬に噛まれた経験があり、それは記憶として内部エネルギーとなって存在している。そのため犬を見るたびにその犬と楽しく遊べるのではないかという外部エネルギーと過去に犬に噛まれたという内部エネルギーが対抗しあい、内部エネルギーが外部エネルギーを押し流してしまうため犬を見るたびに恐怖や不快感を感じることになる」とかなんとか。原文ママではないですが、だいたいこんな感じに書かれています。


そしてこういった内容はトレードやマーケットとそこまで深く関係しているとは思えないので無駄に感じます。心理学の解説にトレードを利用しただけなのではないかと思ったほど


<結論は「機械的にやる」>

333ページというページ数の割には一つのことしか結論付けていません。

その結論とは「トレードを機械的にやる」ということ。

いわゆる機械的トレードと意味は違い、これは「優位性を発見した場合にはそれらを阻害する要素などを見つけずにありのまま仕掛ける。その結果負けたとしてもそれは偶然」というもので、100戦のうち全勝することはなく、60勝40敗でも優位性があるので負けたときに「後悔」とか「恐怖」を感じてはいけないということです。

こういったことは他の書籍も書かれていますが、この書籍はその辺の解説がうまい。コインを投げたときに裏か表かを推測するのは難しいですが、それを全体で考えれば50%の確率で表が出るということは誰でもわかると。このような考えができればそれほど精神的負担は重くはない気がします。


<評価>

評価は45点です。

言われているほどの名著では絶対にないです。確かに他の書籍よりはトレードにおけるメンタルの損失を減らす方法は分かりやすく解説されています。ですがそれはあくまでも「分かりやすい」だけであって他の書籍にも書かれている内容ではあります。そして必要のない心理学の内容が多いのですからトレードの書籍としては評価を下げざるを得ない。


ここまで悪く書いたわりに45点にした理由は2つ。

1つがネットの評価では「トレーダーのレベルによって理解度が違う」ということだったので、私ではまだ理解できないレベルにあるのかも・・・とは自分では全く思っていませんが(笑)、その可能性もあるということ。

そして2つ目がこの書籍が優位性のあるトレードを持っていることが前提であること。優位性のあるトレードを行っている方がなぜ勝てないのか、というところからスタートしているので、そもそも優位性のあるトレードを持っていない私が評価を低くしてしまうのは当然かなと。だからそのあたりを差し引いて点数を付けました。


おそらくですがネット上での評価が高いのは「負けているときの言い訳にできるから」だと思います。この書籍では「負けても偶然」という考え方なので、どんなトレードをしても楽にはなります。もちろん優位性なんて全くないトレードでもです。

もしもこの書籍を買おうと思っているのであればやめたほうがいいとおもいます。すでに優位性のあるトレード方法を持っていてしかも負けているという状況はほとんど考えられないので、まずは優位性のあるトレードを探すのが先、そして優位性のあるトレードが見つかったときにはこの書籍は必要のないものとなっていると思います。


関連記事
敗者のゲームのレビュー
投資苑2のレビュー
アメリカ最強のFX理論のレビュー
posted by ゼロハジ at 2012年12月19日 14:44 | Comment(4) | 投資書籍レビュー

敗者のゲームのレビュー

ここ最近歯が痛いです。すでに何度か診てもらっているのですがなかなか良くならない。以前の歯医者さんよりは時間はかからないようですが、それでも何度かは通わないといけないようです。ということで今回のレビューは「歯医者のゲーム」。

・・・というのは冗談で、今回読み終わったのは「敗者のゲーム なぜ資産運用に勝てないのか(チャールズ・エリス:著 鹿毛雄二:訳 日本経済新聞社:出版)」です。


<内容>

ページ数は237ページ、定価は1500円ですが私は中古で105円で買いました(笑) この書籍はかなり前から出版されている書籍らしく、改訂もあるためいくつかのバージョンが発売されています。なので今回のレビューも99年出版のものなので、その後に改定されたものとは内容が多少違うと思います。

さて、「敗者のゲーム」といえば「効率的市場仮説」に基づいて「インデックスファンド」の投資を勧める書籍で有名です、実際私も読む前はこの書籍は「効率的市場仮説を解説し、その結果がインデックスファンドの投資」になっているのだと思ってました。しかし読んでみるとそうでもないようで・・・


<資産運用の書籍>

確かに効率的市場仮説についての話も出ていますし、インデックスファンドを勧める様な記述もあります。しかしその大部分の内容は「資産運用の方法の紹介」であり、この書籍を読んでも効率的市場仮説への理解は全く深まりません。せいぜい「市場は効率的なのでトレーダーになるのはとても難しい」ぐらいなことしか書かれていませんでした。

資産運用については結構深く追求されています。「ファンドが今年出したパフォーマンスは一時的なものだけかもしれないためそこに優位性はない」、「売買コストは非常に大きなものなので多くのファンドは市場平均を上回れない」、「インフレは自分のお金の価値をなくすため、インフレ率以上の資産成長が必要」などなど、これから資産運用を始める人向けの書籍です。もちろん状況が違うので日本では役に立たない部分が多いですし、トレードの書籍ではなく投資の書籍なので私には無縁といった感じ


<この書籍の気になったところ>

この書籍のタイトルの「敗者のゲーム」というのが面白く、「勝者のゲーム」というのは相手からポイントを奪う勝負であり、「敗者のゲーム」とは相手のミスによってポイントを得るゲームであると解説されています。

プロのテニスの場合はミスなどしませんから、いかにうまく相手から得点を得るかを目指しますが、アマチュアのテニスの場合は自分も相手もミスをします。だから自分がうまく得点を得たかどうかではなく、相手がミスしたかどうかで勝負が決まると。この考え方はとても面白い。


また売買コストが大きいという話がありましたが、この書籍では売買するたびに大きな手数料が取られるし、経済は成長を基本とするので(ここの説明はなかった気もします)一度保有したポジションを余計な売買をせずに持ち続けることで緩やかな成長の波に乗れるようになる。短期的見てしまうとその中にも浮き沈みは発生しますが、最終的には利益になっているという考え。


<評価>

評価は「なし」です。

そもそもがトレードの書籍ではないので評価は付けられません。投資には興味のない私には内容が難しく理解できないところがあります。制度が違うという点もあるんでしょうが、内容が難しいのは間違いないです。

これで役に立ちそうなのは「ファンドを選ぶとき」「超長期投資をするとき」とかだと思います。数年単位の投資でも役に立たないですし、時節に乗って投資するような内容でもないです。ただただ淡々と経済の基本成長に合わせて何十年も持ち続けるための書籍

本当に評価しようがないです。悪い書籍ではないですが、今の私には興味がないというだけのことです。


関連記事
投資苑2のレビュー
システムトレード 基本と原則のレビュー
アメリカ最強のFX理論のレビュー
posted by ゼロハジ at 2012年12月12日 12:31 | Comment(0) | 投資書籍レビュー

投資苑2のレビュー

今年中に読み終わる予定の投資書籍群ですが、残りの数も少ないためか読むスピードがちょっとづつ上がってきてます。まぁそれでも今年いっぱいはかかりますが、予定を守れそうなだけ良かったでしょうか。

さて、今回読み終わったのは「投資苑2 トレーディングルームにようこそ(アレキサンダー・エルダー:著 長尾慎太郎:監修 パンローリング:出版)」です。

すでに前作の方は読んであり、「テクニカルの解説書として1冊持っておきたい」というような評価を書きました。2の方はどうなんでしょうか、レビューしていきます。


<内容>

基本情報はページ431、定価5800円、日本での発売は2003年ですが、原本はおそらく2001〜2002年に書かれていると思われます。結構古いですね。

内容としては第1部「カモにされない金融トレーディング」、第2部「成功するトレーディングの3つのM」、第3部「トレーディングルームへようこそ」となっています。


<第1部は投資苑と内容重複>

第1部はトレードに関する基本的なこと、市場の選択や過剰のトレードの危険性、資金管理の重要性などについて書かれています。このあたりは投資苑にも解説されていましたし、なにより内容が似通っているので読む価値は感じません。多少の拡張は見られますが、それでも読むほどではないですね。

第1部に関してはあくまでも「投資苑を読まなかった人向けの基本的解説の確認」になっている感じです。


<第2部は深いテクニカルと雑多な内容>

第2部はなんとも評価しがたいところでした。

前半部分はテクニカルの解説となっていて、前作「投資苑」ですでに紹介されたテクニカルをもう一度もっと深く切り込んで解説しています。ですから「投資苑」のテクニカルも興味があった人ならいいですが、もしも「投資苑」を読んでテクニカル的に価値なしと判断したのであれば、その時点でこの部分を読む必要はないと思います。また基本的な部分の解説はないので理解するには「投資苑」を読んでおく必要があります

後半部分は前作で紹介されなかったテクニカルの紹介と「構成が悪い内容」が混合しています。テクニカルの紹介については前作もあったものなので良いも悪いもその人しだいですが、構成の悪さはどうしようもない。

テクニカルの紹介部分はきちんと構成されています。しかしその合間合間に入る話の構成が悪い。突然テクニカルの紹介が入ったり、すでに第1部で終わったはずの市場の選択をまたもや持ち出してきたり、しかも内容が重複していたりとかなり読みにくい。

そもそもこの書籍自体が訳の問題などでかなり読みにくいので、さらに構成が変なのでは理解も追いつかないというものです。


<第2部7章と第3部>

第2部の7章(資金管理の公式)と第3部についてはまぁまぁの出来です。

第7章の資金管理についてはかなり短めですが「2%リスクがいい」「月6%までのリスク」でのリスク管理を勧めています。別段特殊でもないですし内容としては一般的。読みやすく理解しやすいとは思います。

第3部は「徹底したトレード記録の管理」「規律あるとレーダーとは」「トレーダーの段階」「著者のトレード記録」となっています。

気になったのは「トレード記録の管理」ですね。私も記録は付けてますが、この方の付け方はなかなか尋常じゃない。書籍内でも終始「徹底して記録を付けることが勝利への道」というようなことが書かれていて、甘いトレード記録は結局は勝てない理由なのかと思ってしまいました。

また「著者のトレード記録」については、ここまでシンプルなトレード方法で本当に利益を上げられるのかは疑問でした。もちろん理解を深めるために勝っている部分だけを抜き出しているのでしょうが、6つ中6つが同じようなパターンで勝っているのはなんとも。

そういえばこの書籍でも利益を伸ばすことを強調していたイメージがありましたが、このトレード記録では短い期間でのトレードばかりでした。この書籍には利益を伸ばすことは書かれてなかったんでしたっけ? 最近あまりに多く読むのでどれがどれだか分からなくなってきました(笑)


<評価>

評価は65点です。

この書籍はかなり読みにくく、前作と内容が重複していて、しかも前作の内容を読んでおかないと理解が足りない部分があって、価格も高いため評価は低いのが当然のように思いましたが、本当になんとなくですが「そこまで悪い書籍ではない」と思う感覚があったためこの評価としました。

他の書籍にはない要素、たとえば「徹底したトレード記録の管理」とか「ファンダメンタル分析の重要さ」など、短いけれど濃い要素がちりばめられていた感じでしょうか。数年ぐらいしてから読むとまた発見があるかもしれません。

そういえばこの書籍は「○○さんがこんな失敗をした」的なエピソードがかなり多く、それが読みにくさを増している感じはありました。必要なときに必要な例え話はいいですが、必要ないときに例え話がくると「それはどんな意味が?」と戸惑ってしまいます。


「投資苑」を読まないと分からないところもありますし、また前作との比較ということから考えても、まず前作である「投資苑」を読み、それで気に入ったのであれば「投資苑2」の購入を考えればいいと思います。前作が気に入らないのであれば、今作はそれを超えることはないので買わなくてもいいのではないでしょうか。


追記:カバー部分を見たところ「実際に試すには必ず『投資苑2 Q&A』の演習を済ませてからにしてください」とあったので、この書籍の内容は完結的なものではなく、「投資苑2 Q&A」も合わせて読むことが前提となっているために単体で読んでも分かりにくいのかもしれません。


関連記事
システムトレード 基本と原則のレビュー
田平雅哉のFXスイングトレードテクニックのレビュー
投資苑のレビュー
posted by ゼロハジ at 2012年12月06日 14:38 | Comment(2) | 投資書籍レビュー

システムトレード 基本と原則のレビュー

投資書籍の読み作業も後5冊。残り5冊もある程度期待できる書籍なのでまだまだ進展の余地はありそうです。しかし今のところ劇的な要素はなく、地味な進展の中での今回の1冊。

今回読み終わったのは「システムトレード 基本と原則 トレーディングで勝者と敗者を分けるもの(ブレント・ペンフォールド:著 長尾慎太郎:監修 山口雅裕:訳)」です。


<内容>

おそらく聞いたことがない人が多いと思うこの書籍、というのもこの書籍の日本発売は2011年8月2日と新しく、実際の内容から推測しても少なくとも2010年に書かれています。今までの投資書籍に比べて圧倒的に新しい。

ページ数は526ページと多く、価格は4800円。なんとなく良心的な価格な気がします。

内容としてはトレードアイデアを紹介する書籍ではなく、トレードで勝つためには何が必要かということを説いています。メインはトレードの3本柱となる「資金管理」「売買ルール」「心理」、それ以外にもトレーダーからの一言アドバイスなどがあります。


<資金管理は100%>

メインの3本柱の一つである「資金管理」についての内容は100%といって過言ではないです

私はトレードアイデアの検証よりも、リスク管理、資金管理の検証に力を入れていたことがあるので分かりますが、もしも私がこの書籍を読んでいればその検証は全く意味のないものだったと気づくと思います。つまり自分で試すよりもこの書籍を読んだほうが早いほど的確で正確な資金管理の内容になっています。

というか私とやっていることが全く同じでした。売買データを参考に資金管理を当てはめ、さまざまな状況でどのように資金が変化していくかを検証したものです。その結果を見てもほとんど私の結果と変わらないことは何気に嬉しかったです(笑)

この項については読んでも損はないです。私のように余計な資金管理方法を生み出したくない方は素直に参考にすればいいと思います。


<売買ルールは残念>

3本柱のうち「売買ルール」の項については残念。

できれば売買ルールの作り方や参考になる方法を載せてほしかったのですが、「トレードアイデアを載せているような書籍ではないよ」とどこかに書いてあったように、本当にトレードの参考になるアイデアは皆無。唯一乗っていたのが「支持線と抵抗線を意識しての売買」ぐらいなものでした。


「売買ルール」の内容は「期待値」と「変数」でした。

期待値はこのブログでも良く扱うあの期待値で、この書籍では「トレードを仕掛けるのは利益になりそうだからではない、そこに期待値があるからだ」というトレードの基本的な考えを示してます。

つまりこの書籍では「トレードにプラスの期待値があるかどうかを調べる」とか、プラスの期待を持った「トレード方法のパフォーマンスが落ちた場合どうするか」とかそういった方面からアプローチとなっています。


また「変数」は、多くのテクニカルについては「変数(いじれる数)」が存在するため、ある人が良いと言っても別の人は別の数字を使っているので良いとは限らない、またいくつものテクニカルを使うときに変数が多くなりすぎるためそれが本当に良いかどうかの判断がつかなくなってしまうなどと書かれています。

おそらくこの著者が言いたいのは「変数の大きいテクニカルなんて役に立たない」ということなのだと思います。この書籍では終始「トレードは単純に」と書いているので、テクニカルの多くは存在すら意味がないと言いたいのでしょう。なんとなく分かる気はします。


<心理はありきたりですが・・・>

「心理」についての内容は「良いトレード方法を持っていてもそれを続けるメンタルがなければ意味がない」というごく一般的な考え。

ただこの書籍では「トレードは負けるものと考えておけ」とか「損する苦しみ、まだ稼げたお金があったかもしれないという苦しみ、他のみんなが自分よりもうまくやっているかもしれないという苦しみ」などトレードは苦痛を味わうものと認識しています。

勝っていても負けていても十分な苦痛があり、むしろそれに耐えられるということは才能と捉えている感じです。それと心理的負担を減らすにはメカニカルトレードがいいとも書いてありました。


<評価>

評価は95点です。

負けているときに漠然と何が足りないかを考えても分かりませんが、この書籍を読めば「良いトレード方法を持っているが資金管理がダメ」とか「良いトレード方法を持っていないからダメ」とか「資金管理はできているがそのルールを守るメンタルがダメ」とかそういったことが分かってくるので、確実に現在の自分に足りないものを示してくれます

とにかく資金管理についてはすばらしいですね。多くの書籍では漠然と「1トレードあたりのリスクは数%」と書いたりしますが、この書籍ではデータつきでその意味について分からせてくれるので、より高い次元で資金管理の理解ができると思います


マイナス5点の理由は2つ。

訳がとっても分かりにくく、修正してほしいレベルでした。それと後半のインタビューは別に要らないです。ほとんどがトレーダーの紹介になっているだけであり、インタビュー内容は一問だけなのでなくても問題なかったかなと。


まぁとにかくオススメの書籍です。買うかどうか迷ったら買っていいと思います。トレードアイデアはぜんぜん載っていないので、それに期待している方はスルーでお願いします。


関連記事
アメリカ最強のFX理論のレビュー
投資苑のレビュー
コナーズの短期売買入門のレビュー
posted by ゼロハジ at 2012年11月29日 13:31 | Comment(0) | 投資書籍レビュー

アメリカ最強のFX理論のレビュー

もう少しすると1年を振り返るのが私の習慣になっていますが、今年はなかなか酷い年でした(笑) 今年は結果的にFXにはあまり関わることはなく、リアルトレードもしていないので大きな損失を出したわけでもないのですが、私がFXを始めて以来最もFXをやめたくなった年ですね(笑) というか現在進行形でやめたい(笑) 詳しくは年末にまとめますが、最近は良く「普通の人生ってなんだろうな?」と考えるようになっていて、FXなんて夢を追いかけられる年齢でもなくなってきた感じです。


さて、そんな話は置いておいて、今回読み終わったのは「超カンタン アメリカ最強のFX理論(ロブ・ブッカー、ブラッドリー・フリード:著 扶桑社:出版)」です。正直全然期待していない書籍でした。


<内容>

基礎情報は2009年12月に出版、ページ数215ページ、定価1400円、著者は外人さんですが日本語が分かるようで、翻訳ものではなく最初から日本人向けの書籍として日本語で書いたようです。何とも珍しい形態。

また著者は二人ですが、解説しているページがそれぞれ違うため、意見が異なることがあります。基本的にはロブが師匠でブラッドリーが弟子のようですが、ブラッドリーがテクニカルの解説、ロブがメンタルやリスク管理の解説となっていて、ブラッドリーは中期で数十Pipsを狙うタイプ、ロブは利益は10Pipsでいいと言っていることから短期狙いのようです。ほかにも微妙に異なる点があります。


内容としてはテクニカルの解説が6割、メンタルとリスク管理が4割。


<試したくなるテクニカル>

テクニカルは3つの方法を解説しています。一つはトレンドラインを使った「2trendy」、一つは時間の概念を使った「NYボックス」、最後が3つの移動平均線を組み合わせから相場を判断する「アリゾナルール」です。

「2trendy」と「NYボックス」はかなり簡易的なテクニカルで、いますぐ試すことができます。ルールは誰でも100%理解できる簡単なものですし、それほど「トンデモ」な内容ではありません。普通に試してみたくなる良さそうなテクニカルです。あまりに簡単なのでページ数もほとんど割かれていません。読めばリミットもストップも仕掛けも理解できますから、それ以上は本当に何もないのでしょう。


逆に結構なページが割かれている「アリゾナルール」については何とも言えません。

ルール自体は難しいものではないですが、納得できない複雑さを持っているので、先ほどの2つよりは試したいとは思いませんでした。

方法としては3つの特殊な移動平均線の並び方とローソク足の関係を見て相場状況を4つに分けて判断します。後はその相場状況にあった仕掛けをするわけですが、この仕掛けも普通の仕掛けではないわけで、この辺りになると?マークがついてくる感じです。方法自体は簡単で理解はできますが有効性がありそうな感じはあまりしません。試してみないと何とも。


<バックテスト1000回、デモ口座で2倍>

リスク管理についてはすごい徹底されています。トレード1回あたりのリスクは1%まで、リスクリワードで1以上の時しか仕掛けないなどルール的な説明のほかに、トレードの1回あたりのリスクが低くないとどうなるのかといった説明や、実際のポジションサイジングの公式まであります。

またテクニカルをリアル口座で使用する前には「バックテスト1000回、デモ口座で資金を2倍」という条件をクリアしてから行うべきだ、と解説されています。バックテスト1000回というのはシステム的なものではなく、チャートを見ながら自分でやるもののことだそうです。


そういった実際のトレードまでの障害を十分に多くすることでリアルトレードでの大敗を避ける姿勢はとても評価できます。というか私が実践していることと変わらないですからね、共感するところは多分にあります。


<評価>

評価は95点

まさかの高得点ですが、テクニカルが本当に簡単で実践が現実的なこと、リスク管理やメンタル関連の考え方が素晴らしい、そして何より定価が安い。私は中古で500〜600円ほどで買いましたが、定価で1400円で買っても損はないです。

逆に5点下げた理由は「NYボックスがすでに検証されたテクニカルだから」です。探せばすぐ出てくると思いますが、機械的トレードである「NYボックス」をシステムトレードにして検証された方がいます。その方のデータではそのままの「NYボックス」は機能しないとのこと。テクニカルなんてそんなものではありますし、「NYボックス」はおまけ的な紹介なので(5ページしか割かれていない)それほど気にする必要はないかもしれません。


普通に「買い」の書籍です。定価でも買いですし、中古ならなお買い、一度くらいは読んでみても損はないと思います。私的には久々の優秀書籍でした。もちろん紹介されているテクニカルが現在も使えるかどうかは試してみないと分かりません。


関連記事
投資苑のレビュー
コナーズの短期売買入門のレビュー
ラリー・ウィリアムズの短期売買法のレビュー
posted by ゼロハジ at 2012年11月15日 19:15 | Comment(0) | 投資書籍レビュー

田平雅哉のFXスイングトレードテクニックのレビュー

はい、13冊の投資書籍を読み始めてすでに7冊目。これでようやく半分というところですが、「意外にも」というべきか「やはり」というべきかあまり役に立った感じはありません。買うときは「13冊じゃ足りない。もっと買いたいのに」なんて思ってたものですが、読んでみるとあっさりしたものです(笑) ちなみに13冊すべて読んだときにはまとめも書くので、書籍のレビューに飽きた方は無理して読まなくていいです。

さて、今回読んだのは「田平雅哉のFXスイングトレードテクニック (田平雅哉:著 日本実業出版社:出版)」です。


<内容>

基礎情報としては、ページ数205ページ、定価1600円、2005年に書かれたものです。翻訳ものではなく日本人が書いています。

内容としては意外にもテクニカルやトレードの解説は少なく、投資哲学が6割、残りがトレードに関するものとなっています。タイトルに「スイングトレード」と入っていますから、トレードに特化した内容かと思ったのですがそうではありませんでした。

またこの書籍を読んで「これどっかで読んだなぁ」と思ったのですが、よくよく調べてみるとこの著者さんはすでにレビュー済みの「私のFXバイブル(このブログでのレビュー内容)」の著者さんと同じです。使っている図表まで同じだったのでさすがにわかりました(笑)


<浅く広い内容>

負ける人の特徴の解説、有効性のあるトレードの必要性、テクニカルには何ができるか、など投資の哲学的内容がメイン

テクニカルについてははっきり書いてしまえば「私のFXバイブル」と同じです。こちらもMACDとスローストキャスティクスによるトレードで、目新しいものはないです。もしも「私のFXバイブル」を持っているのであれば、テクニカル的には参考になる部分はかなり少ないと思います。持っていなくてもそれほど参考になるトレード方法という感じはしません。


メインの投資哲学については他の投資書籍と内容がかなり似通っています。「私のFXバイブル」と似通っているのは当たり前ですが、そうではなく例えば最近読んだ「投資苑」と比べてもオリジナル性は感じません。

とても表現しにくくはありますが、「投資書籍で読んだ内容を鵜呑みにして書いた内容」に見えてしまいます。一部内容に関しては「翻訳してコピーしただけなのではないか」と思うほど似ているので、投資書籍を読んで理解したうえで、自分で噛み砕いたうえで書いたという感じがなかったのは残念。

逆を言えば余計な知識の入っていないストレートな投資哲学を知れるので、「投資苑」など投資の古典的な書籍を読んだことがない人にはいいのかもしれません。


<内容が薄い>

結構致命的なのが、一項目を見ても理解できないということ。

やはり200ページというページ数の少なさが響いているのか、一項目ごとの解説が非常に簡易的なため内容が分からない項が多いです。

ある程度の解説が終わり、これから詳しく解説してほしいところをそのままにして次に行ってしまうので、「え!? もう次?」の繰り返しでした。解説内容は悪くないですが完全に説明不足

テクニカルのところで「私のFXバイブル」と同じ、と書いたのはこれも理由です。トレードについての解説もかなり簡易的なので、本来は深く解説するテクニカルがこれでは参考にしようがないです。


<評価>

評価は60点

そこまで悪くはないですが、説明不足な感じは否めません。タイトルからしても中級者向けの書籍なのは明確なのですから、広く解説するよりも投資哲学かトレードのどちらかに絞って解説すると良かったかもしれないですね。どっちもやろうとしたから失敗した感じです。

しかし海外の投資書籍の内容を参考にしていると思われるだけあって、日本の投資書籍の中では優れている部類に入ると思います。私が読んだ日本の投資書籍の中では一番かもしれません


もしも20冊以上の投資書籍を読んでいるのであれば得ることは全くないと思います。それ以下であれば得るところは多分にあると思うので、FXの解説書籍を読んでトレードしてみて、その次のステップとしてこの書籍というのはアリかもしれません。


関連記事
投資苑のレビュー
投資の王道 実践編 通貨証拠金取引のレビュー
マーケットの魔術師のレビュー
posted by ゼロハジ at 2012年11月12日 15:14 | Comment(0) | 投資書籍レビュー

投資苑のレビュー

投資書籍を調べた人がある人なら絶対に聞いたことがあるのが「投資苑」。

今回はその「投資苑(アレキサンダー・エルダー:著 福井強:訳 パンローリング:出版)」を読みましたのレビューしたいと思います。


<内容>

まず基礎情報ですが、定価は6090円、ページ数は470ページほど。日本での出版は2000年ですが、書かれたのは1992年のようです。

内容は「心理・戦略・資金管理」とありますが、実際には「戦略」がメインであり、「心理」と「資金管理」はおまけ、というほどではないですが内容は薄いです。投資苑と言えばさまざまなテクニカルを解説している書籍というのが一般的な評価なので、この辺りは問題はないでしょう。


<心理・資金管理について>

「心理」と「資金管理」については内容は薄いと書きましたが、ページ数的には合わせて3分の1近くあります。ですから、この辺りもメインと言えなくはないですが・・・

「心理」については、普通は「トレードに向かうためのメンタル」になると思います。負けた時の心の整理とか同じトレード方法を続けるメンタルとか、しかしこの書籍のメンタルはちょっと特殊な内容です。

まず最初が「トレードを阻害する要因」、つまりはスプレッドの存在、ろくでもないトレードシステム、教祖(今で言えばトレードのカリスマ)など、そういったものが本来のトレードをするための障害になっているという話。

そして次が「オーバートレードはアルコール中毒と同じ」ということ。トレードをしすぎるというのは強い刺激を求めているのと同じことなので、その療法にはアルコール中毒患者を治療するものと同じプロセスを使える、とかなんとか。

最後が「価格とは何か」とか「トレンドはなぜ発生するのか」など群集の心理について書かれています。

「心理」についてはなかなか特殊すぎてピンとこないですね。この書籍の著者は精神分析医らしいので、あまりに専門的なことを書きすぎたのかなと思います。読んでもプラスになる感じはありません。読み物?


「資金管理」の項目については内容は素晴らしいです。細かなデータの掲載があればもっと良かったですが、ポイントポイントでは確かに重要なことを書いています。しかしページ数にして30ページもないので、これだけで資金管理について理解するのは難しいところ。あくまで補助的な掲載という感じでした。


<数多いトレード戦略>

さて、メインの「戦略」についてですが、これはトレード戦略の掲載となっていまして、チャートパターンからオシレーターまであり、細かいところを含めれば20〜30のテクニカルは紹介されています。

紹介方法は「テクニカルの紹介→テクニカルの計算式→テクニカルの見方→テクニカルで仕掛ける場合のルール→テクニカルの追加や発展」となっています。

多くの投資書籍では基本的な部分が全く紹介されないため、この書籍のように計算式からその見方まで紹介してくれるものは貴重だと思います。この書籍に対する評価はこの点に尽きるでしょう。

載っていた計算式等を見ると、オシレーター関連のテクニカルはかなり似通ってますね。オシレーターもいろいろありますが、結局はどれを使っても大差ない気がしてきました。そもそも機能しているかどうかすら疑問なところ。


残念な部分もあります。「テクニカルの紹介」は比較的客観的なものだと思うのですが、「テクニカルで仕掛ける場合のルール」がちょっとおかしい。主観的すぎるというか「本当にそんな仕掛け方あるの?」と思ってしまうものがあります。ですからこのトレードルールを参考にトレードするというよりは、「テクニカルの紹介」と「テクニカルの見方」を見て自分でトレードルールを作成するのが本来の使い方でしょう。紹介されているルールは参考程度に読んだ方がいいと思います。

またチャートの画像において「その時点では判断できない要素」を使って売買の判断をしているため明らかにおかしいことになっています。例えば現時点ではオシレーターが改善するか悪化するかは判断できないわけですが、それらの画像では常に「改善が始まるところで買い、悪化が始まるところで売り」になっています。これはテクニカルの種類が変わっても同じです。おそらく編集上の仕様なのでしょうが、いくらなんでも無理があるかと思います。全体的に画像が足りていない書籍なのに、せっかくある画像がこれでは本当に残念です。


<評価>

評価は80点です。

この書籍を読んで勝てるようになったりはしないと思いますが、「先物市場のテクニカル分析」と同じくテクニカルの基礎勉強のための書籍と割り切れば意味のある書籍となっています。「先物市場のテクニカル分析」はチャートパターンがメインでしたが、この書籍はストキャスティクスやMACDのようなテクニカルがメインなので住み分けができている感じです。

全体的に出来が悪い部分がありしかも古いため(20年前)、もしもこれと同じようにテクニカルを詳しく解説し、しかもそれは最近のテクニカルであり、画像もきちんと載せ、余計な部分(心理、資金管理)を載せずに価格を下げた状態(できれば3800円以下)で出版している書籍があるのであればこの書籍の評価はもっと低くなると思います。しかしそういった書籍は聞いたことがありません。

数多くのテクニカルを詳細に解説している書籍であり、他に比べることができないということでこの評価。こういったいくつかのテクニカルを詳しく解説されているものが手元にあると、ネットで調べるよりも早く、しかも正確に理解できるので(ネットの知識は個人の判断によって歪められていることが多い)貴重と言えば貴重です。

定価で6090円と高く、FXや現代では使えないテクニカルも数多くあるので、イマイチなところは確かにありますが、「3段階スクリーントレーディングシステム」がちょうど私が考えていた「FXの正解」に近かったので、その点はとても良かった。


購入については、すでに「一般的なテクニカルについての解説書籍」をいくつも持っているのであれば必要ないかもしれないですが、もし持っていないのであれば「投資苑」と「先物市場のテクニカル分析」があると一気にテクニカルについての理解が深まると思います。ただ定価6090円は投資書籍としては十分に高いのでその点は覚悟が必要です。


関連記事
コナーズの短期売買入門のレビュー
本気度が足らないらしい
ラリー・ウィリアムズの短期売買法のレビュー
posted by ゼロハジ at 2012年11月05日 15:05 | Comment(0) | 投資書籍レビュー

投資の王道 実践編 通貨証拠金取引のレビュー

私が間違っていました。

といっても、いきなり何のことかわからないと思いますが、今回読んだ投資書籍が私の求めていたものとは全く異なる内容であり、注文の段階かもしくは書籍を調べている段階で誤って購入してしまった書籍なのではないかと考えています。投資書籍を買う時に数多く注文したので、はっきりと覚えていないところもあり、届いたときに「これ頼んだかな?」と思うほどでした(注文履歴には残ってました)。

その書籍は「投資の王道 実践編 通貨証拠金取引 (新井邦弘:著 日経BP社:出版」です。


<内容>

私が求めていた投資書籍というのは「テクニカル・ファンダメンタル・メンタルのいずれかについて詳しく載っている書籍」だったわけですが、実はこの書籍は「FX初心者向けの書籍」でした。しかも古い

2004年出版のこの書籍は、FXという言葉すらまだなく、金融庁の監視も行われていない個人為替取引の暗黒時代に書かれたものです。

だから当然、現代で通用しない知識は多く、参考になる部分は少ないです。もちろん当時読めば役に立った知識なのでしょうが、現代FXでは話が違う部分は多いです。


<一目均衡表の簡易説明のみ>

テクニカル的な部分はほとんどが「一目均衡表」の解説となっています。

その解説は簡易なもので(そもそも一目均衡表の解説は原本以外はすべて簡易的なものらしい)、読んでもトレードに使えるほどにはならないと思います。この書籍のテーマはおそらく「通貨証拠金取引」の解説なので、テクニカル的には多少の説明があればいいと判断したのでしょうか。


この一目均衡表の解説は数ページですが、その後50ページにわたり、この書籍が書かれた時代の各為替相場を一目均衡表で解説しています。つまりは相場予想です。はっきりと「買いです」と書かれているわけではないですが、「現在はどちらに転ぶか分からない状況」とか「もしもこの線を超えた時には買わないほうが無難でしょう」などと言葉を濁しながらも方向を示唆するような書き方をしています。自分的には案外ここがこの書籍のメインだったのかなと思ってます。


<リスク管理は素晴らしい>

買いまではしませんが、書店に行くたびに新しいFX書籍をペラペラとめくってみます。しかし大半の内容は「話にもならない」という感じ。ですがこの書籍には評価できる点がきちんとありました。

その評価できる点とは「正しいリスク管理の方法」です。

リスク管理の考え方や資産運用的な考え方など、これを読めばリスク管理については十分に知ることができると思います。ナンピンとか塩漬けとかそういったもののリスクについても触れられていますし、レバレッジ(この時代は10倍20倍だったようです)のリスクについても書かれています。


<評価>

評価は20点です。

前半部分はFXの仕組みについての解説のために読んでも得るところがないですし、なにより内容が古い。また後半はテクニカルとリスクの解説ですが、テクニカル部分は「簡易的+現代にそぐわない過去の相場の分析」のためこの点も価値が低いです。そしてようやく点数を付けられるリスク管理についても、全くの初心者が読むなら別ですが、投資書籍を数冊も読めば普通に気づくような内容なので、この評価となりました。


まぁ私がこれをテクニカル的な書籍を勘違いして買ったのが問題なわけですが、すでに出版から8年も経過している書籍なんて買う人がいるわけが・・・と思ったらこれ再販されてるんですね(笑) 私は中古で買ったので気付きませんでしたが、まだamazonで新品が入手できるということは買っている人がいるということなのでしょう。

買った私から言わせてもらえば、いくらなんでも8年の経過は大きいので、相当な理由がない限りこの書籍を買う必要はないと思います。それこそFXについて解説している書籍の評判の良いものを買っておけばこれよりはいいと思います。もちろん新しいものがいいですね。


関連記事
新マーケットの魔術師のレビュー
マーケットの魔術師のレビュー
勝ったら倍賭け「逆マーチンゲール法」
posted by ゼロハジ at 2012年10月30日 15:20 | Comment(0) | 投資書籍レビュー

コナーズの短期売買入門のレビュー

はい、相変わらず読んでいる投資書籍はこれで4冊目になります。ペースについてはこんなものですが、成長についてはさっぱりです(笑)

さて、今回読んだ書籍は「コナーズの短期売買入門 トレーディングの非常識なエッジと必勝テクニック(ローレンス・A・コナーズ、シーザー・アルバレス:著 長尾慎太郎:監修 スペンサー倫亜:訳)」です。

この書籍が届いた時にペラペラとめくってみたのですが、その時の直観はそれほど間違っていなかったようで・・・


<内容>

ページ数は146ページと少なく、チャートや空白ページもかなり多いので読むのに1時間ちょっともあればいけます。そして定価は4800円!!!。私は中古で買いましたが、それでも4000円でした。かなり高い買い物ですね。今ならマクドナルドでポテトが26個も食べられる価格です(笑)

ちなみにこの書籍は新しいです。日本での出版が2010年ですが、コピーライトが2009年になっているので少なくともそのぐらいに発売されていたはずです。

内容の方は「ラリーウィリアムズの短期売買法」と同じく、機械的トレードかもしくはシステムトレードで使うための書籍となっています。具体的な内容もかなり似通っていて、見せ方が「テクニカルの提示→検証結果→最適化の検証結果」と全く同じです。


<カーブフィッティング以上の答えがない>

このブログで低評価だった「ラリーウィリアムズの短期売買法」に似ているということは低評価なわけですが、やはりこの書籍も「カーブフィッティングを載せているだけ」と考えるのが自然です。

今回の期間は「ラリーウィリアムズの短期売買法」のときのように特別な上昇を見せている期間ではなかったですが、その分テクニカル的な意味よりも検証の結果に重点を置いていて「いやいや、それはないから」というようなテクニカルも結果が良いという理由から使われています。

テクニカル的に見ても「ラリーウィリアムズの短期売買法」よりも劣ります。検証を楽にするために単純なテクニカルにしたんでしょうが、あまりに単純すぎるためにどこに有効性があるのか分かりません。確かに同じように単純なテクニカルはありますが、この書籍のテクニカルは「検証上良かった」という以上のものはないので、普通に使うには無理があります。もちろんFXでなくてもです。


<テクニカル以外もひどい>

またテクニカル的な面以外もひどいです。

問題は書籍の前面に印刷されている「ストップは置くな! オーバーナイトで儲けろ!」という文面。


まずストップに関しては「置かない」ことがパフォーマンスを上げると書いています。この点に関しても「ラリーウィリアムズの短期売買法」と同じであることに驚いてます(笑)

当然ですがありとあらゆるトレードにおいてストップを置かないことはパフォーマンスを上げます。これは当たり前です。データ的にも絶対にそうなります。100%間違いありません。

ですが問題はトレーダーには資金があるということです。資金を考慮した場合にストップを置かないというのは話にならない。ストップを置かないというのは1回のトレードのリスクが無限大ということですから、自分の資金が尽きた時に終わりが来ます。ストップを置かないことでパフォーマンスが上がるというのは、資金を無限と想定した場合のことですから、現実では全く役に立ちません


またオーバーナイトについても同じです。FXでいう週をまたぐのと同じですが、株式取引の時間は日中で終わります。夜はないです。ですからFXよりも毎日の始値が飛ぶ確率が高い。

そういうリスクがあるのでオーバーナイトはせずにポジションを手じまうという戦略もあるわけですが、この書籍は否定しています。オーバーナイトをした場合としなかった場合を比べた時に、した時の方がパフォーマンスが良いからだそうです。

しかしこの問題も同じく資金が無限であると想定されています。もし何か大きな出来事が起こって始値が飛んだ場合、場合によっては追証となります。これが現実です。オーバーナイトの方が利益率が高いのは誰もが分かっていると思います。しかし最悪の事態が起こった時に対応できないから手じまうというのは別に間違ってはいない戦略でしょう。もちろんトレードする期間が長い場合にはオーバーナイトはしなければいけないでしょう。


<評価>

評価は5点です。

ここまで評価を低くした理由は「ラリーウィリアムズの短期売買法」よりも劣ること、この方法で売買している様子が全くなかったこと(つまりは単なるデータの提示なのではないか)、「昔も儲かって、今も変わらず儲かっている手法を紹介」と書いてしまったこと(ラリーウィリアムズの短期売買法では「方法は変化するもの」という逃げ道があった)などです。

内容から書き方、考え方、仕掛けの方法も「買いが基本で売りはおまけ」というところまで「ラリーウィリアムズの短期売買法」と同じなわけですが(価格が高いところも同じですね、笑)、それよりも目に見えて劣るということでこの評価。


5点を付けたのは明確な理由がありまして、14章「心理」の中のインタビューが素晴らしかったこと。

私は元・自己啓発オタクなわけですが、その観点から見てもこのインタビューの内容は素晴らしい。夢に対する情熱、そして「挑戦したからには最下位でもいいからやり抜く」という根性、写真の裏に書いてあったという「人が敗北するには2通りしかない、あきらめるときと、死ぬ時だ」という鳥肌・涙目ものの名言など、夢を達成するための自己啓発としては最高レベルにあると思います。

ですが残念ながらこれはインタビューに答えた「リチャード・D・マコウィッツ」さんが素晴らしいわけであって、インタビュアーのコナーズはいなくても・・・(笑)


ということなので、この書籍は迷ったら買わない・・・というレベルでもなく、「迷わず買ってはいけない書籍」です。本当にお金の無駄です。ポテト26個食べた方が良かった(笑)



追記:読み直してみて面白いことに気づきました。「ラリーウィリアムズの短期売買法」に「上昇しやすい日は6、7、8、19、20、21、22日(S&P500)」というルールがありましたが、この書籍も同じルールがあります。そしてのその日にちは24、25、26、27、28、29、30日でした(データはおそらく株式)。パターンによって違いはありましたが、だいたい月末に上昇するというデータです。ラリーのときの検証期間は98年まで、コナーズの検証期間は95年から07年ですから、少なくともラリーのデータを元にしてトレードしても何の意味もなかったことは分かります。もちろんコナーズのデータも・・・(笑)


関連記事
買ってないけど「FXハイブリッド」の話
ラリー・ウィリアムズの短期売買法のレビュー
勝ったら倍賭け「逆マーチンゲール法」
posted by ゼロハジ at 2012年10月25日 10:54 | Comment(2) | 投資書籍レビュー

新マーケットの魔術師のレビュー

ランダムで決めていた投資書籍の読む順番ですが、まさか2連続でマーケットの魔術師シリーズになるとは思ってませんでした。このシリーズはボリュームがあり過ぎて2連続はきついです(笑)

ということで今回は「新マーケットの魔術師 米トップトレーダーたちが語る成功の秘密(ジャック・D・シュワッガー:著 清水昭男:訳 パンローリング:出版」のレビューです。


<内容はインタビュー>

内容は前作(マーケットの魔術師)と同じくトップトレーダーたちのインタビューです。気のせいかもしれませんが、前作よりも聞いたことのあるトレーダーがいた気がします。「トム・バッソ」とか「リンダ・ブラッドフォード・ラシュキ」とか。ページ数は520ページと前作より多く、同じく1ページ2段です。

質問は前作よりも鋭い、というかトレードの概念についての話が多くなっています。前作はそのトレーダーの軌跡や印象に残った相場状況などでしたが、今作は質問の内容に幅があり、トレーダーによって切り込んでいる部分が全く違います。


<当たり外れ>

トレーダーによって質問が変わることがあるためか、今回は当たり外れの大きい内容となっていました。

前作の場合ほとんどが同じような質問内容だったのでブレは少ないですが、今回は質問内容が違うために、いい質問をされた人はすごく深い内容で、変な質問をされた人はそこにページが割かれていて残念という感じでした。もちろんトレーダー本人によっても深さの違いはあるでしょうが、「いらなかったんじゃない?」と思う部分は多々ありました。

そういえば今回は20人ぐらいのトレーダーのインタビューでしたが、一部トレーダーは4ページ程度のインタビュー(通常は20〜30ページ)内容しか掲載されず、また内容も薄いために必要性は感じませんでした。インタビューしたからには載せたかったんでしょうが、もう少し何かなかったかなと思います。


こういったことがあるので、内容にはバラつきがあります。

前作は60〜70点台のインタビューがほとんどという感じでしたが、今作は80点台が2名ぐらい、40〜60点台がほとんど、0〜20点台が4名ぐらいという感じです。ただインタビュー以外のまとめ部分や冒頭が前作よりいいので、ここは評価できると思います。


<やはり超えない時代の壁>

今作のインタビューの4〜6名ほどはオプション取引の話をしています。

オプション取引が始まった時にトレードを始めたトレーダーのようですが、この書籍の中でも「ごく基本的なことを覚えておけば誰でも勝てた」といった表現をされるほど非効率な時代で、つまりは価格が全く適正ではなかったと。だから適正価格よりも下のものを買っておけばそれだけで儲かる時代だったようです。

ですからこのオプションについて書かれていることは全くピンときません。前作と同じくこの点は現代の状況と違いすぎて得るところが全くないという状態。また同じく現代ではほぼ全く存在しないアービトラージについても結構取り上げられていて、これもピンときません。時代の壁を感じます


<その他細かい点>

相変わらずの誤字脱字の多さは気になります。誤訳なのか意味が通じないところはあります。

今作も「有効性のあるトレード」「資金管理」「損小利大」という基本は同じでした。

著者のシュワッガーさんの直観へのこだわりはどうにかならないものでしょうか(笑) 夢の話とか潜在レベルでの思考が直観となるとか、そういった話はちょっと眉に唾をつけてしまいます。


<評価>

評価は75点です。

前作よりは確実にいいです。今作は最後にまとめがあり、そこでトレードに役立ちそうなことがしっかりとまとめてありますし、また一人目の「ビル・リップシュッツ」は為替についての話をしているので、FXトレーダーとしてはそこは読んでおいても損はないかなと。

ですがやはり、何を差し引いても「投資読み物」でしかないので、ある程度の経験や他の投資書籍を読んでいるのであれば別段読む必要はないと思います。まぁそれでも前作は「迷ったら買わなくていい」でしたが、今作は「迷ったら買ってみてもいい」ぐらいにはなってます(定価で2800円ですし)。今作はトレードに臨む態度などについてかなり客観的なアドバイスが載っているので、その点は十分に評価できると思います。


関連記事
買ってないけど「FXハイブリッド」の話
マーケットの魔術師のレビュー
2012年「オータムジャンボ宝くじ」の期待値
posted by ゼロハジ at 2012年10月19日 13:55 | Comment(0) | 投資書籍レビュー

マーケットの魔術師のレビュー

はい、3日1冊ペースで読んでいこうとした投資書籍ですが、思ったよりもはるかに時間がかかって困ってます(笑) このペースだと、裁量の練習を再開する前に今年が終わる気がします。まぁ読む前に練習するよりも読んでから練習した方が結果が良い「はず」なので、無理にやるよりも読むときは読んでおく感じでしょうか。

さて、今回は「マーケットの魔術師 米トップトレーダーが語る成功の秘訣(ジャック・D・シュワッガー:著 横山直樹:監訳 パンローリング:出版)」のレビューです。

投資書籍としてはかなり有名な部類で、投資をやるなら一度は読んだ方がいいらしいので読んでみました。定価は2940円ですが、中古で2000円ぐらいで買ったと思います。


<トレーダーのインタビュー集>

内容はアメリカの主要なトレーダーに対するインタビュー集で、16名のトレーダーに対するインタビューを載せています。ページ数は430ページほどですが、1ページに2段書かれているのでボリュームはとんでもないです。今日は300ページ分読みましたが、5時間もかかってました(笑)

質問に関しては主に「なぜトレーダーになったか」とか「テクニカルとファンダメンタルをどのくらい使っているか」、「今までの印象的なトレード・相場」などであって、どのようなテクニカルを使っているかというのは「トレンドフォロー型だ」ぐらいしか載っていません。つまりは相場で儲けるためのテクニカルを知るための書籍ではありません

メンタルなど相場に対する心の持ちようと相場で大失敗した場合の精神的なショックなど、そういったものを知る書籍なので、そういった意味では役に立たない人は役に立たないことでしょう。しかし自分勝手に書かれる一般的な投資書籍よりは「インタビュアーが聞きたいことを聞く」というスタイルなので、トレーダーという人物を知るにはいいと思います。


<プロばかり>

期待していたのはアマチュアトレーダーの成功話だったわけですが、この書籍のトレーダーは基本的に最初は「アナリスト」「ブローカー」など何らかの取引所やトレード関連の仕事につき、そこで誰かにトレードを教えてもらったか、もしくは他のトレーダーに影響されながらスタイルを確立していった感じです。

もちろん環境が違うのは分かりますが、まずは人のお金(預かった)でトレードしてから(もしくはしながら)、自分のトレードも併せて行うようになっていくというのは、あまりにも現代の状況とかけ離れているためにピンときません。投資の勉強環境という意味では現代よりもはるかに優れていたように見えます。


<ストップと利を伸ばすと損失の限定>

かなり多くのトレーダーが答えたのが「損切をする」「利を伸ばす」「リスク管理をする」ということでした。

読めばわかりますが、この書籍のトレーダーたちはものすごく投資に恵まれた時代にトレードしています。今のようにコンピューターも浸透していませんから普通のトレーダーの相場についての分析が非常に甘かったことがうかがえます。特に何人かのトレーダーが最初に資金を稼いだのは「アービトラージ」であり、現代のようにコンピューターで簡単に最適な価格を計算できる(注文もできる)状況ではほとんど出来ない稼ぎ方でその資本を増やしているわけです。

さすがに誰でも勝てるほど簡単ではなかったでしょうが、トレーダーの中には「現代では絶対生き残れないだろうな」という方もいて、1960〜70年代の相場に助けられた感は強いです。

しかしそんな中でも当然大敗をする方がいるわけで、書籍のトレーダーたちは「損切をする」「利を伸ばす」「リスク管理をする」というごく基本的なことを守ることでより大きな利益を得て、しかもそれを守りきることもできたと。


<評価>

評価は60点です。

なによりも時代が違いすぎるというのが大きいです。確かに現代も通用するようなメンタル関係の話はいいですが、相場の分析に関してはコンピューターがあるかないかで全く話が違うので、そういった意味での違いは非常に大きい。

現代はインサイダー以外の公表されている情報は誰でもほとんど即時に入手する方法はあるので、そういった面ではプロとアマチュアトレーダーの差がかなり小さいですが、この時のアマチュアトレーダーはテレビで見て株を買おうとしているとか、銀行に進められて買おうとしているとかでしかないので、それらに勝つのはおそらく現代よりもはるかに容易だったのではないでしょうか。

書籍内でも何度か出てきますが、これらのトレーダーに1000ドル預けた場合、10〜20年で数十万ドルになっているという時代です。これを見ても現代とは明らかにトレードというものの性質が違うと感じました。現代でもそんなファンドってあるんでしょうか?(笑)


ちょっとだけ評価した理由は「プロトレーダーの分析力のすごさ」「損切をしない場合にどこまで絶望的な気分になるか」「ここまで勝てるトレーダーでもうまくいかなかった時期があったこと」「システムトレードに対する警鐘」などが良かったため。

特にシステムトレードの警鐘については良かったですね。このころはコンピューターはほとんど発展してなかったようですが、それでもプログラムトレード(おそらくシステムトレード)があったようで、それが台頭することで相場の動きがランダムに近くなってきているという話が出ています。これは現代の相場状況をよく表しているのかも?


テクニカル的に役立つことはほぼないですし、メンタルや損切の話も普通の投資書籍を買っていればある程度分かっているはず、どこまでいっても「相場読み物」を超えることはないので、読むかどうか迷ったら読まなくてもいい書籍だと思います。


関連記事
ラリー・ウィリアムズの短期売買法のレビュー
プラスアルファの要素について考える
2012年1月〜8月のFX口座の変化
posted by ゼロハジ at 2012年10月09日 19:06 | Comment(4) | 投資書籍レビュー

ラリー・ウィリアムズの短期売買法のレビュー

去年買った投資書籍13冊を読み始めたわけですが、今回はその中で一番期待していた「ラリー・ウィリアムズの短期売買法(ラリー・ウィリアムズ著 パンローリング出版)」を読み終わったのでレビューしていきます。この本の定価はなんと9800円!!! もちろん中古での購入です(笑)

この書籍は本当は一番最後に読もうと思っていたのですが、それ以外をどの順番で読むか悩んでいたのでランダムに決めたところ、一番最初がこの本になってしまいました。自分的に一番期待していた書籍です。またこの書籍の第2版も最近発売されたらしいので、そういった意味でもレビューの価値はあるかなと。


<データ満載の内容>

さて、まず最初に書いておきますが、この書籍は「買う価値なし」です。この点については後から説明していきます。


書籍の内容は機械的トレードやシステムトレードに特化した内容で、あまり裁量的な要素はないです。投資の哲学というかメンタル面の内容にもかなり多くのページが割かれていて3分の1程度はメンタル系の話になっていると思います。

とにかくデータが多く、一つのテクニカルや方法に対しいくつかのパターンを試してそのデータを載せるという感じになっています。データは勝敗数や平均損益、ドローダウンなどとかなり詳しいものです。そういったデータは数えてはいませんが100ぐらいは載っていると思います。

あまり詳しくは解説しないので他に知識がないと使えないテクニカルも多いですが、ところどころにキラリと光るテクニカルが載っていて、それらは今までの書籍などでは見たことのないテクニカルだったりして、後で検証したいと思っています。


<カーブフィッティングでは?>

さて、ここからは文句しかないと思います(笑)

この書籍のパターンはまず一つのテクニカルを紹介し、そこからそのテクニカルのパターンを紹介、そして発展系というか改善を行うというものです。

一見すると良いようにも見えますが、この書籍の致命的な部分は「データはすべてコンピュータのバックテストのもの」ということです。この点は書籍内にもはっきりと書かれています。

つまり私の考えはこうです。これは「カーブフィッティングの結果だ」と。


所詮はバックテストのデータですから、悪いところを削り、より良いようにしていけばどのようにでもいいデータを用意することができます。

しかもこの書籍に載っていたバックテストのデータは「基本的(後で重要になります)」に一定期間のデータであるので、一部の要素で高い利益になればどのようにテクニカルを使ってもその要素の時には結果が上がるわけです。書籍内では曜日や日にちのデータがそうでした。この曜日には結果が良くなるというのはその期間のデータから分かっているわけですから、期間が同じであれば後はどんなテクニカルを使ってもその曜日のデータは必ず良くなるわけです


<ここまでの自分的反論>

もちろんランダムに似ているからと言ってランダムと同じではないことでしょう。現代ではバックテストは誰でも行えますし、その中で高い利益を導き出すシステムも簡単に探せます。ですがそれで利益を上げている人は少ない。

だからと言ってバックテストは意味がないというわけではなく、その中には本当に有効なものも入ってるはず。つまりこの書籍に載っているのは本当に有効性が出るデータである可能性も十分にあります

という反論は自分でも思いついたわけですが、しかしこの書籍には問題となるポイントが2つもありました。


<この年代は・・・>

書籍の最初の方に「終値が始値よりも高くなる可能性は50%よりも高い」ということが載っていました。それが気になった私はこの書籍でのメインのトレード対象「S&P500」「Tボンド」のうち「S&P500」のデータを調べてみました(Tボンドはデータが見つかりませんでした)。

するとこの書籍でメインに使われてきた1982〜1998年というのは「S&P500」が急激に上昇している期間であり、しかもこの書籍は常に「買い推奨で売りはおまけ」というスタンスです。つまりこの期間に買いを中心としたテクニカルであればある程度の結果は出したと


さらにもう一点気になったのはさきほど書いた「データ取得期間」のことです。

実はこの書籍はメインに1982〜1998年のデータを使っていますが、わずかにパターンが違うだけのバックテストの結果でも年度が違うことがありました

具体的には開始年度です。終了年度は1998年しかなかったと思いますが、開始年度は75年や77年、90年や87年などそのバックテストごとによってデータが変わっています。ちなみに日付にも微妙な違いがあります。ほとんどが82年開始というデータを使っているのに、わざわざ他の年度から開始してデータを取るというこの点は非常に不自然さを感じました


<その他マイナス点>

その他の点として、誤訳・誤植らしきものが多く、意味が通じないところがあったり、言っていることが逆になっている部分があります。

リスク管理については完全に間違っていて、最終的には損切をしない方向に向かっています。メンタル面ではストップを置くこと、早めのポジション転換を推奨しているのに、データ的には損切を遅らせれる、またはしないことがパフォーマンスを上げると書かれています。


<まとめと評価>

ということでまとめですが、この書籍を最大に良く見積もった場合「カーブフィッティングを超えた真の有効性を解説しているために理解が追い付かない」ということで、最低に見積もった場合「投資に恵まれた時代に愚直なまでに買っていたために大儲けした人物が、小金を稼ごうとしてそのころはまだ主流ではなかったコンピューターのバックテストにより、カーブフィッティングのデータを抜き出していかにも勝てるように見せた」とかそんな感じでしょうか(笑)

点数をつけるなら30点ですね。いくつかの機械的なテクニカルが興味をそそったので点を付けました。

最大に評価しても買うほどの書籍ではないので評価はこんなものだと思います。なにより価格が高いですからね。第2版を買おうとしている方はやめた方がいいと思います。もし第2版を買おうと思うのであれば、まずカーブフィッテングについて調べて、この書籍で使われている1982〜1998年のS&P500のチャートを見てから(もちろんその期間以降に大きく下がったことが重要)にした方がいいと思います。


関連記事
ファンダメンタルは大事かもしれない
2012年1月〜8月のFX口座の変化
裁量で成功した場合、それを機械的トレードに作り直してみたい
posted by ゼロハジ at 2012年10月02日 15:06 | Comment(10) | 投資書籍レビュー

知識ゼロからのFX投資&チャート入門のレビュー

はい、知人がFX関連の書籍がいらなくなったということでもらってみました。ほとんど初心者向けのものしかなかったので「ペラペラめくって即廃棄」ばかりでしたが、1冊だけ輝いていたものがあったので今回はそれをレビューしたいと思います。そういえば久々に投資関連の書籍を読みました(笑)

今回のレビュー対象は「知識ゼロからのFX投資&チャート入門 (著:Kazu 監修:北辰物産株式会社 PHP文庫)」です。


<前半部はごく一般的>

「ゼロから」というだけあって、前半の内容は「全く知識がない人がFXを始められるための知識」に終始しています。

例えば「トレンドとは」とか「レバレッジについて」「注文方法」など、ごく一般的なFX書籍であればどれにも書いてある常識的なことばかりが書かれていて、この辺りは特に役には立ちません。まぁある程度初心者向けを意識していたのだと思います。


<テクニカル紹介部分は・・・>

ですが後半部分のテクニカル紹介は初心者向けにとどまっていませんでした。

確かに初心者向けの部分も多いですが、トレンドの定義を「高値(安値)を更新して、安値(高値)が切り上がっていく」などとしたり、クロスだけでないトレンドの方向としての移動平均線のあり方や、サポートやレジスタンスで反発の可能性があり、しかもそれがブレイクされると今度は逆の役割になることなど、多くの初心者向けの書籍では解説されないテクニカルが紹介されています

まぁさすがに「オリジナル」というほどの内容はなく、結局は「先物市場のテクニカル分析」などの上級書籍を噛み砕いたような内容ではありますが、それでも初心者向けの書籍でここまで解説してくれるのは相当珍しいです。


<消えた著者>

私は基本的に読んだ投資書籍が日本のものであればその著者を調べます。その著者がブログを持っていることが多い、というかブログやサイトを持っていないで出版まで行くことはないと思うので、著者の現在の状況を知るという意味で調べます。

それで今回も調べてみたのですが、この書籍の著者「Kazu」さんのブログは更新されなくなってます。しかもこの書籍が発売される前に

実は思うところがありまして、この方の書籍出版は2冊目、1冊目(知識ゼロからの外貨<FX>投資入門)も知人から頂戴していたので読んだのですが、書かれたのは2006年で円キャリートレードの全盛期、そしてその内容も円キャリートレードについてでした。

更新されなくなったのはリーマンショック直後のことですから、まぁ普通に考えてリーマンショックで自分が行っていた円キャリートレードで大敗してFXをやめたのだろうと。ですが事前に決まっていた2冊目だけは出版、とかそんな感じだと思います。ブログでは2冊目の出版については全く触れられてないですからね。


ちょっと面白いなと思ったのが、そのブログの最後の記事に「56.80で長期保有用の豪ドルを買った」とあること。チャートを見ると分かりますが、リーマンショック後の底値で54.95ですから、56.80で買えたのは相当すごいですね。そのままスワップ目的で持ってもいいですし、今すぐに売っても1万通貨あたり22万円の儲け。実はこの著者さんはすごかったんじゃないでしょうか(笑)


<評価>

評価としては75点でしょうか。

初心者向けのものとしてだけ見れば高評価だったんですが、「ブログの更新が止まった」という点がマイナスです。円キャリートレードでの失敗は書籍には関係ないので別にいいです。ただ円キャリートレードとは別に行っていたという書籍の内容の短期トレードでブログを更新してくれればよかったのに、それをしなかったというのは何かあるのかなと思ってしまいます。

あくまでも私の勝手な思い込みですが、この内容が本人のものかどうかが疑問です。1冊目の内容やブログの内容から考えても、この2冊目の内容はあまりに出来すぎていて、書籍かどこかのブログの内容を引っ張ってきたとか、ゴーストライターの可能性とか疑惑は尽きません。まぁブログの更新はかなり間が空いているので、その間にスタイルが大きく変わった可能性もありますが、リーマンショック直後にブログが更新されていないことを考えるとやはり疑惑は残ります。


まぁそんなことがあってもなくてもかなりいい書籍ですよ。FXの知識が0というのであれば、初心者向けの書籍を買うときにはとりあえずこれは入れておいていいと思います。高値・安値の更新なんてのは私もFXを始めてから2〜3年ぐらいしてから知りましたからね、それを最初から知れるのであればそれなりに勝ちに近づくような気はします。


関連記事
勝ち組トレーダーの重なっている部分を求めれば・・・
足りないのは知識か経験か
真似できるかどうかで判断する
posted by ゼロハジ at 2012年05月22日 16:33 | Comment(2) | 投資書籍レビュー

「通貨マフィアがあなたの円を食いものにする」のレビュー

はい、今回は「通貨マフィアがあなたの円を食いものにする 著:島崎正成 監修:青柳考直 出版:総合法令」のレビューです。

普段であればレビューには値しないような書籍ですが、今回は特別な理由もあったのでレビューにしています。そのあたりは最後の方に。


<FXの裏事情は書いてありますが・・・>

「通貨マフィアが」なんていうタイトルですから、為替関連での裏事情について書いてあるだろうとは予測できます。そして実際にそういった内容も書いてはありますが、内容が古い。もちろん出版時期もあるのでその当時はどうだったのかわかりませんが、少なくとも現在では全く役に立たないです

この書籍が書かれていた時期はFXの規制がかなり緩い時期で、多くの悪徳業者がはびこっていたようです。私がFXを知るよりも前のことなので、昔のブログ記事などでしか知りませんが、「資金の持ち逃げ」や「しつこい勧誘」などが普通にあったようです。印象としてはやくざ的な経営でしょうか。

この書籍でもそういった業者に注意するようにということが書いてあります。実名は書いてないですが、「過剰な取引の推奨」や「資金引き出しの拒否」などをする業者もあるので注意しましょう、的な内容です。現在ではFX関連の法規制はしっかりしているので気にする必要はほぼないと思います。


<為替ディーラーについて>

この書籍で唯一感心した点が「為替ディーラー」についてです。なんというか為替のプロとしてディーラーをイメージする人は多いようですが、元為替ディーラーとかなんとか言ってもほとんど素人という例はかなり多いようで、この書籍でもその可能性について触れられています。

この点はいろいろ面白いことが書いてありました。コンピューター・インターネットの導入でクビになった為替ディーラーがFX業者に流れ込んでいるとか、日本の為替ディーラーというのは顧客の取引を市場に流すだけ、もしくはその顧客の取引に乗っているだけなど、為替ディーラーはすごいという幻想は薄めてくれると思います。


<結局はFXの勧誘>

悪徳業者への警告やディーラーに関する記述はまぁ確かにありましたが、この書籍の大半はFXとその業者に対する説明のようなものであり、つまり結局のところは「FXの勧誘のための書籍」という感じは抜けません。

なんといってもこの著者はFX業者の社長ですからね。書籍の中にも自社(会社名は出ない)はこういうことはしませんよ、とかなんとか書かれてあったりして、「この本を読んでうちFX口座の真面目さを分かってね」という意図がある気はします。


<点数はつけられません。だって・・・>

通常のレビューであれば点数をつけるところですが、今回のレビューでは点数は付けられません。

というか問題外なんです。この書籍は「悪徳業者に対する注意」がメインなはず、もちろんその点に関する言及は十分ではないですが多少はあります。しかし問題はこの書籍を書いている著者が最終的に自社FX口座の資金を持ち逃げした点にあります。

会社名は「アルファエフエックス」、その時点で500口座ほどだったらしく、あまり大きな規模ではないようですが、それでも資金が返ってこなかった方もいるわけで、そういったことをした方の書籍に点数は付けたくないという理由です。

そういうこともあるので、今回のレビュー記事は書籍のレビューというよりは書籍を書いた人がその書籍の内容とは真逆にとんでもないことをした、というところがメインだったりします。まぁ現在は信託保全もありますし、本当に過去の話でしかないですが、ちょっと記事にしてみました。


関連記事
負けている人の本でちょっとホッとする
「まぐれ 投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか」のレビュー
相場予想でお金をもらう方法
posted by ゼロハジ at 2012年01月20日 15:49 | Comment(0) | 投資書籍レビュー

「まぐれ 投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか」のレビュー

はい、大量に買った投資書籍の一つを読み終えましたのでレビューしたいと思います。

今回読み終えたのは「まぐれ 投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか(ダイヤモンド社 著:ナシーム・ニコラス・タレブ 訳:望月衛)」です。

読む前の感じとしては、運が投資に対してどういう影響があるのかとか、運だけで勝ち上がってきたファンドのデータとかが載っているのかなと。だからそういうデータを見て「検証データにはどのくらいの試行回数があれば信頼できるか」とかが分かればいいと思っていたのですが、どうもこの書籍は違いました


<運というよりはとにかく確率の本>

この本は投資について書かれている内容は意外に少なく、大半、半分以上は投資ではない話になっています。しかもそのすべては運というよりは確率の話です。

例えば「ある宝くじに当たった人がいて、その人の人生を何度もシミュレーションしたとするとほとんど人生では宝くじに当たることがなく普通の人生を送っているだろう」とか「ある研究員がずーっと同じ研究をしていたとすると、ある日突然すごい成果を上げることがある。しかしそれは確率的に起こったことだ」とか、いくらなんでもそこまで確率かよって話になってます。

これはないだろうと思ったのが、「無限匹のサルを集め、タイプライターを自由に叩かせると、そのうちいつかは名作とまったく同じものを書き上げるサルが出てくる」らしいです。まぁ確率的には0ではないけれど・・・というのがこの本の趣旨です。


<滅多に起こらないことが起こると・・・>

この本の投資的な結論を書くとおそらく「勝っている多くの投資家は一時的な運により勝っている。そしてそれは滅多に起こらないことが起こると一斉に破綻してしまう」ということになると思います。

紹介されていたのはナンピンですが、意味的には塩漬けとかマーチンゲールも同じでしょう。つまりは「常に勝ち全く負けないトレード」のようなものを続けていると、いつかは滅多に起こらないことが起き、そこで大損失、結果として今までの勝ちは運だけだったとわかるわけです。

それに対する対処法は一つ「滅多に起こらないことが起こった時にも大損しないこと」だそうです。つまりストップロスを入れておけということなのですが、ストップロスを入れておけば常に勝つなんてことはできませんから、そのあたりから否定しているのかどうかはよく分かりません。


<評価>

点数をつけたいと思いますが、「まぐれ 投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか」の点数は0点です。

というのもこの書籍を読んでも投資的な知識はほとんど増えません。1024人のトレーダーを集めれば、そのうち1人は10連続で相場予想が当たるとか、そういった相場に関する確率のトリックが分かっていれば、読む必要はないと思います。

また投資に関係のない余談が多く(というかそれがほとんど)、さらに一部難解で全く理解できないところがあるなど、これは投資書籍ではない気すらしてきます。


それだけでは0点にしませんが、すべてを確率で説明するところが読んでいるうちに不安になってきます。多くの事柄について「運が良かっただけ」で説明されてしまい、それは投資においてもそうです。「投資において勝てたのは運のおかげ、たまたま、偶然」とずーっと続いているので、読んでいるとトレードの検証なんて意味がないんじゃないかと本当に思ってきます

おそらく有効性のあるトレードについては否定していないのでしょうが、その点について解説もしていないので、一切のトレードはランダムであるという前提になってしまっていて、トレードは確率以上の結果が出ないという全否定という感じです。ちなみに著者はオプショントレーダーらしく、これは確率的なものから成功しているそうです。


まぁとにかくこの書籍は「不安」になります。トレードについて役に立つことも書かれていないですし、「相場にはなんらかの法則があって、そこを攻めればトレードに有効性が出て勝てる」という考えのトレーダーであれば、むしろ読まないほうが良いと思います。逆に「相場はランダムで確率的に動いている」と思っているのであれば読んでもいいかもしれません。お勧めはしません



追記:思ったんですが、この書籍は努力について触れなかったことが良くないんだろうなと。研究員の話も宝くじもそうですが、何かを実行したから初めて成功したわけで、試行回数を増やすことが成功の可能性を高めたりとか、そういう方面でのアプローチはなかったのかなと。この書籍を読んでいると人生のすべてが運で行われているような書き方ですが、実際には何かを行ったから成功とか失敗があるわけで、そのあたりも触れると良かったかなと思います。


関連記事
短い結果を見ても精神的な負担が増えるだけ
相場予想でお金をもらう方法
効率的市場仮説について書いてみる
posted by ゼロハジ at 2011年12月13日 15:42 | Comment(0) | 投資書籍レビュー

「私は株で200万ドル儲けた」のレビュー

タイトルが多少変ではありますが、「ボックス理論」で有名だという『私は株で200万ドル儲けた(ニコラス・ダーバス著 パンローリング出版)』を買ってみました。またもやブックオフで105円。ブックオフは地味に投資書籍が置いてあっていいですね。

この『私は株で200万ドル儲けた』という書籍は「アメリカで40年間ベストセラー」というように紹介されています。パッとタイトルを見る限りではウソ臭さ満点ですが、40年もベストセラーということでなにかあるかもしれません。


<株式投資のサクセスストーリー>

では実際に読んでみた感想ですが、これは投資のサクセスストーリーですね。著者がどのようにして株式投資というものと出会ったか、またそこからどのようにして株式市場で勝てるようになったのかが書かれています。

しかし株式投資が難しいのは当然で、著者が株式投資に出会ってから負けて負けて負けまくるような様子が良く書かれています。初心者にありがちな「雑誌等の情報を100%信じてしまう」とか「一度完成した方法を続けずに別の方法を試してしまう」とか色々な失敗が書かれています。


<ボックス理論とは>

そして勝ちにつながったのが「ボックス理論」。このテクニカルは、これから急上昇する可能性のある銘柄はボックスの形が積み上がったように相場が推移していくというもので、私が見る限りでは安値が切り上がっていることでトレンドの発生としているように見えます。ボックスはつまりはレンジですが、このレンジ幅で売買しないというのが面白いです。このボックスが積み上がっていくときには買い、このボックスからはみ出た下降があった場合にはすぐに売れるようにボックスのすぐ下にはストップが仕掛けられています。損は小さく、利益は最大限まで伸ばすような方式です。

じゃあこのボックス理論がFXでも使えるかというと、これは使えないと思います。少し前にも記事を書きましたが、株式とFXでは値動きが全然違うので、ボックス理論で損を小さくできたとしても、大きな利益を狙えず適用しにくいです。


<この書籍の評価点>

評価としては65点ぐらいでしょうか。投資初心者の失敗を学ぶにはとても役に立つ書籍ではありますが、それが役に立つのは投資を始めた間もない方とか、まだ投資を始めていない方に限られます。投資を始めてある程度の期間経っていれば、このぐらいのことは自然に分かってくることでしょう

またボックス理論については特別優れている感じはしません。確かダウ理論にも同じような理論があったと思いますし、結局は爆発的な成長の可能性のある銘柄を損を小さく利益を最大限まで伸ばしていっている以外はないように見えます。ボックス自体に何か特別な意味があるわけではないでしょう。

ということで、FXトレーダーには特にお勧めしません。投資でのサクセスストーリー的なものは多いですし、これを読めば「すでに投資で成功している人も色々と失敗したり騙されたりしている」ということが分かるぐらいのものです。もちろん105円の中古であれば買ってもいいと思いますが(笑)、定価2200円で新品を買うつもりであればやめた方が良いと思います。それだけ出せばもっともっと良い投資書籍が買えます。


関連記事
3年後のドル円相場はどうなっている?
FX相場の時間的特徴
FXでも損小利大は機能する?
posted by ゼロハジ at 2011年08月31日 13:03 | Comment(0) | 投資書籍レビュー